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半日単位と時間単位

何日分の有休が発生するかは、「正社員の場合の付与日数」や「パートの場合の付与日数」の回でご説明しました。今回は、どんなふうに休めば1日分の有休を取得したことになるのかというテーマで書いてみます。

 たとえば、有休を取得する予定の前日に、夜中の1時まで深夜残業をしたとします。(心置きなく休みたいので前日は遅くまで頑張っちゃうことってありますよね。)そうするともう、予定通りに有休を取得したことにはなりません。なぜなら、午前0時から24時間まるまる休んだ日でないと、有休にはならないからです。

 でも、今書いたことはあくまでも原則で、就業規則や労働契約で定めれば、半日単位で有休を取得する(あるいは付与する)ことも可能です。実際、半日単位の有休を導入している会社は沢山ありますね。

 「いいや、うちの会社には半日単位の有休はない。ブラック企業か?」なんて早とちりしないでくださいよ。半日単位の付与はあくまでも可能なだけで、付与する義務はないのです。

「なんで? 法令は使用者の味方なの?」と思いたくなるかもしれませんがそうではなくて、法令は「半日単位だとゆっくり休めないだろう」という優しい気持ちから、歴日で休むことを原則としているようです。

 そのため、半日単位の取得については労働契約または就業規則に定めれば認められるのに対し、時間単位の取得については労使協定を締結しないと認められないことになっています。有休の単位が細切れになればなるほど労働者がつらくなるので、容易にそうならないよう、ガッチリと周囲を固めているというわけですね。

 とはいえ、実際には、細切れに取得できる方が便利だという声もチラホラ聞こえてきます。

 ところで、労使協定って何だかご存知ですか? 文字の通り、労働者と使用者との間で締結する協定のことです。その目的は、本来は法で禁止される行為を適法に行うことができるようにすること、つまり免罰効果です。メンバツコウカ、なんだか強そうな響き。そんな労使協定がないと付与できない時間単位年休って、一体どういうものなのでしょうか。

一言で言ってしまえば、「合計5日分までは、時間単位で有休を付与してもよい」というルールです。ここで気を付けるべきことは、時間単位の有休は「付与してもよい」のであって義務ではないということ。したがって、仮に時間単位付与について労使協定を締結しているとしても、労働者がその取得を希望しないケースでは、無理やり時間単位で取得させるようなことがあってはいけません。

また、ここまで書いてきたことは、付与された日数を、歴日で取得するか、半日で取得するか、時間で取得するかという話ですから、時間単位の取得ができるようになったからといって、有休の付与日数が5日分増えるわけではありません。時々勘違いされる方がいらっしゃるのでぬか喜びご注意を。

 最後に、時間単位付与にかかる労使協定の内容についてです。次の①から④が必須項目となります。

 

 

①時間単位年休を付与できる労働者の範囲

 

 (正社員のみでパートは含まない等)

 

②時間単位年休の日数

 

 (前年度からの繰越分を含み5日以内)

 

③時間単位年休1日の時間数

 

 (1日の所定労働日数を下回らないこと)

 

④1時間以外の時間を単位として付与する場合の時間数

 

 (2時間や3時間単位はよいが、時間未満の単位は不可)

なお、この労使協定は届け出る必要はなく、また、有効期間もありません。きちんとしたプロセスで、一度締結しておけばよいということです。

 長くなりました。今日はここまで。次回もどうぞお楽しみに。