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正社員の場合の付与日数

前回は「6か月間の継続勤務と8割以上の出勤率の両要件を満たす全ての労働者に有休の権利が発生する」という話をしました。今回は「正社員の場合の付与日数」について書いてみます。

 

でもその前に、「法定労働時間」と「所定労働時間」の違いを整理しておく必要があるかと思います。「法定労働時間」とは、労働基準法(以下、労基法)で定めた労働時間の限度のことであり、具体的には1週間40時間、18時間です。それに対し、「所定労働時間」とは、就業規則で事業所ごとに、あるいは、労働契約で従業員ごとに、個別に定めた労働時間のことです。

今日は、所定労働時間が週35時間の正社員(以下、彼)を例に書きます。(所定労働時間によって、有休を付与される日数が異なってくるため、誤解がないように明記しました。)

彼が4月1日に入社したとします。それから930までの6か月間に8割以上出勤していれば、101日(第一回目の基準日)に彼には10日分の有休の権利が発生します。それはどういうことかというと、第一回目の基準日から始まる1年間で、10日間は給料をもらいながら休暇を取得することができるということです。

その後、毎年101日(基準日)が到来する度、前1年間の出勤率が8割以上であれば、次の通り、彼には新たな有休の権利が発生していきます。

 

1回目の基準日(継続勤務6か月)       10

 

2回目の基準日(継続勤務16か月)  11

 

3回目の基準日(継続勤務26か月)  12

 

4回目の基準日(継続勤務36か月)  14

 

5回目の基準日(継続勤務46か月)  16

 

6回目の基準日(継続勤務56か月)  18

 

7回目の基準日(継続勤務66か月)  20

 

8回目以降                                          20

この時、原則、基準日の前日までに行使しなかった権利は、新たに発生した権利と合算することになります。

 

仮に、彼が1回目の基準日に取得した10日分の有休の権利の内、実際に行使したのは5日分だったとしましょう。そうすると、翌年の930日時点では5日分が残っています。翌日の101日(2回目の基準日)には、新たに11日分の権利が発生しますから、前日までに行使できなかった5日分と新たな11日分を合わせて、計16日分の権利を有することになります。

ただし、ここで気を付けなければいけないことがあります。行使しなかった権利を繰り越せるのは次の1年間だけなのです。

仮に、彼が2回目の基準日時点で有していた16日分の権利の内、実際に行使したのは5日分だったとしましょう。そうすると、翌年の930日時点では11日分の権利が残っていることになります。翌日の101日(3回目の基準日)には、新たに12日分の権利が発生しますから、前日までに行使できなかった11日分と合わせて計23日分の権利を有することになりそうなものですが、残っていた11日分の内の1日分は第一回目の基準日に発生した権利を第2回目の基準日から始まる1年間に繰り越した上で使い切れなかったものであり、第3回目の基準日から始まる1年間には繰り越すことができないため、第3回目の基準日時点で彼が有している権利は23日分ではなく22日分となります。

 

今日はここまで。続きは130日(水)にです。お楽しみに。